東京地検特捜部は、カルロス・ゴーン氏の夫人であるキャロル・ナハス氏に対する逮捕状を取った。2019年4月に東京地裁で実施された証人尋問の際、虚偽の証言をしたとされる偽証の容疑だ。 意外な罪名 ゴーン氏にとっての最大の弱みが夫人の存在だったことから、特捜部が夫人をターゲットにして何らかの動きを見せることまでは予想通りだったが、偽証罪という罪名は意外だった。 本丸は密出国罪の共犯やゴーン氏を逃亡させた犯人隠避罪にほかならないからだ。現時点では、それらの容疑について夫人の関与を断定できるだけの証拠がないということだろう。 しかも、「なんで今さら?」と驚愕するほど、後手に回った感が明らかだ。というのも、夫人に対する具体的な容疑は、証人尋問で関係を尋ねられた「オマーンルート」に関する重要人物について、実際には会ったり多数のメッセージのやりとりをするなど口裏合わせと見られる行動があったにもかかわらず、