1921年。チェコスロバキアの劇場で、作家・カレル・チャペックの『ロボット(R.U.R)』が初演された。人類の労働を肩代わりする人造人間を描いたこの戯曲から「ロボット」という言葉が生まれ、世界中へと広まっていった。それからちょうど100年。ロボットは今後どう進化し、何を成し遂げるのか。国内のロボット研究をリードする千葉工業大学未来ロボット技術研究センター(fuRo)の古田貴之所長(53)とともに、ロボットの次の100年を考える。 万能ロボットはいつ生まれるのか かつて空想の産物だったロボットは、今や私たちの生活に欠かかせない存在になっている。自動車などの製造にかかわる産業用ロボット、医師の診断や手術を支援する医療ロボット。東京五輪の開会式を彩ったドローンも、ロボットの一種だ。ほかにも掃除洗濯から災害復興、軍事行動に至るまで、あらゆるシーンでロボットは人間の活動を支えている。 しかし、これら