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2018年2月25日のブックマーク (8件)

  • 『フィッシュストーリー (新潮文庫)』(伊坂幸太郎)の感想(1471レビュー) - ブクログ

    「フィッシュストーリー」 自分が存在していること、それだけで何か意味があるのかなと思える。 「世界を救う」なんて、平凡に生きている人間には突拍子もないこと。まさか自分の身に起こるはずがない。けれど、ある日ある時「ほら話にもならない」強い愛情から「世界を救う」魚の卵が生まれたのだ。誰もが下らねえと思ったその卵は、人知れず孵化し時を泳ぎ未来へと繋がっていく。もしかしたら、世界って自分の周りから広がり回っていくものなのかもしれない。決してそれは世界の中心が自分だという意味ではない。ただ、今まさに自分がしようとする行いが、誰かの世界へとリンクしていき、またそこから誰かの世界へと繋がっていく。それが世界が回るということなのかもしれないなと思ったのだ。人から人へ、その連鎖が「世界を救う」ことに繋がっていく。そう考えたら、なんだ「世界を救う」って国のリーダーになったり、愚かな戦争なんてものをしなくてもで

    『フィッシュストーリー (新潮文庫)』(伊坂幸太郎)の感想(1471レビュー) - ブクログ
  • 『SOSの猿 (中公文庫 い 117-1)』(伊坂幸太郎)の感想(844レビュー) - ブクログ

    (再読感想) 四年前の記録内容があまりに悔しかったので再読。 読み返しだからなのか多少読書慣れしたからなのか、改めて読むとスッキリ爽快。 こういうことってありますよね。 「僕の話」と「猿の話」が交互に展開する螺旋構造であるが、「五十嵐真の話」手前の6回目の「私の話」でバシッと背骨が通る感じ。この感覚が気持ちいい。 「誰かの夢や妄想が、現実と繋がっていることもありうる」(p370)とあるが、主要登場人物には全員’真’の字が入っているというブクログユーザー様の感想を読んでハッとさせられた。 まさに「五十嵐真の話」に登場する孫悟空は幻のようであるが、恐らくは眞人か伊坂先生か五十嵐大介先生の夢か妄想が繋がった’真’なのだろうと思う。 不思議ではあるがモヤモヤは残らない物語だった。 「天竺に行ったところで、くよくよは続きます」(p397)、「エアコンは、誰かを救う」(p401、402)は確かに名フレ

    『SOSの猿 (中公文庫 い 117-1)』(伊坂幸太郎)の感想(844レビュー) - ブクログ
  • 『ガソリン生活 (朝日文庫)』(伊坂幸太郎)の感想(453レビュー) - ブクログ

    全てがなんかかわいい!表紙の絵もほのぼのしてるし。 話の内容は、実は結構ダーク。今時の事件、社会問題だらけ。ここに焦点を当てちゃうと、ちょっと読んでて苦しくなってくる。 でも!それを上回るほどほのぼのさせるものが! なんと話の語り手は、緑色の車のデミオなのです。もう、緑デミのボケが可愛い。多分小さい子設定ですね。出会う車たちとも話が出来るんだけど、車たちはなぜかみんな性格がいい。その車たちの話で、事件の真相が分かっていく感じ。新しい面白い展開。人間の?望月家のみんなも、ほのぼのとしてとぼけてて、それがこの話を暗くしてない気がする。 最後に向かっての話の締め方が、さすがお見事です!エピローグ、にやにやしちゃいました。

    『ガソリン生活 (朝日文庫)』(伊坂幸太郎)の感想(453レビュー) - ブクログ
  • 『残り全部バケーション (集英社文庫)』(伊坂幸太郎)の感想(640レビュー) - ブクログ

    2023.10.23 読了 ☆9.5/10.0 去年一度読んで、また読みたくなって再読。 当時目に留まらなかった、ユーモアと機知に富んだセリフや文章の数々に気づけて嬉しい。 なにより、短編集なのに短編集ではない、一の長編小説に繋がる伊坂さんの趣向や群像劇、伏線とはひと言で言い切れないほどの巧みな「あの時のあの人!あの出来事!」とページを前に遡ってめくりたくなる仕掛けがたくさん散りばめられていて、読んでいて飽きない。 特に第二章のタキオン作戦は心打たれた。 伊坂ワールド、伊坂マジックを堪能したい人オススメです。 〜〜〜〜〜心に残った言葉〜〜〜〜〜 "儲けてる奴ほど、ろくなことしてねえよ。ふんぞり返ってパソコンに向かって、ぴこぴこボタンを押してたり、人を顎で使ったりな。それよか、身体使って、荷物運んだり物作ってる人間の方がよっぽど偉いってのにな" "暴力振るわれそうになったら、その時だけでも

    『残り全部バケーション (集英社文庫)』(伊坂幸太郎)の感想(640レビュー) - ブクログ
  • 『死神の浮力 (文春文庫 い 70-2)』(伊坂幸太郎)の感想(555レビュー) - ブクログ

    娘を殺された山野辺夫は、無罪判決を受けた犯人・城への復讐を計画。そこへ死神で調査部員の千葉が山野辺のもとへ訪れ【死】の可否判断を行う。復習は成功するのか?そして山野部自身の【死】の判定は?死神と人間界のやり取りが描かれた長編ミステリ。 前読「死神の精度」に続き連読。 今から674日前の私に『小説読むのなら伊坂幸太郎だったら大方間違いないよ』と薦めてくれた友人に心から感謝したい。 伊坂幸太郎、恐れ入った。 作品、500ページを超える作品だったため、若干の中弛みはあったものの総括面白かった。連作短編だった死神の精度も良かったが、長編もしっかり楽しめた。 作は死神の千葉が7日間の調査によって対象者の死に可否を下す…という設定から、Day 1〜Day 7に加えプロローグとエピローグで構成されている。 人気作家・山野辺の小学生だった娘が毒殺、しかし犯人の城は証拠不十分により無罪判決。司法の

    『死神の浮力 (文春文庫 い 70-2)』(伊坂幸太郎)の感想(555レビュー) - ブクログ
  • 『重力ピエロ (新潮文庫)』(伊坂幸太郎)の感想(4223レビュー) - ブクログ

    1.著者;伊坂氏は小説家。大学卒業後、システムエンジニアとして働きながら小説を書き、文学賞に応募。デビュー作「オーデュポンの祈り」で新潮ミステリー倶楽部賞受賞。その後、作家専業となる。「重力ピエロ」で世に認知され、「アヒルと鴨のコインロッカー」で吉川英治文学新人賞受賞。「ゴールデンスランバー」で山周五郎賞受賞、「逆ソクラテス」で柴田錬三郎賞受賞。氏の著書は米・英・中国韓国、等で翻訳刊行。 2.書;兄弟と父母の4人家族には、過去に辛い出来事があった。弟(はる)は、亡き母がレイプされて出来た子という設定。過酷な境遇の中で、連続放火と火事を巡る事件が始まり犯人捜しする物語。家族4人の性格描写が見事で、味わい深く、ミステリーというよりも感動的な兄弟・家族愛に溢れた小説書は、大きな賞は取っていないが、直木賞・屋大賞・・等の候補になりました。勲章なくとも読み応えある作品です。 3.個別感想

    『重力ピエロ (新潮文庫)』(伊坂幸太郎)の感想(4223レビュー) - ブクログ
  • 『バイバイ、ブラックバード (双葉文庫)』(伊坂幸太郎)の感想(987レビュー) - ブクログ

    「僕は、来ない相手をずっと待ってる寂しさに詳しいんだ」 飄々として、掴みどころがなくて、目の前で寂しそうにしている人がいたら、とりあえず声をかけてしまうだろう、五人の恋人を持つ星野ちゃん。 そんな男と二ヶ月半強、見張り役としてともに行動していた繭美。 彼女は星野ちゃんに対して「おまえは自分には大した価値はないと感じている」と指摘する。それはつまり「相手にとって自分は重要な人間じゃねえ」と思っていること。 星野ちゃんて、可笑しいけど何だか悲しい。同じ空間にいるはずなのに何だか寂しい。そんな心情を抱いていた私は、繭美の言葉に納得した。 星野ちゃんが‹あのバス›に乗る直前、繭美が助かるかもしれない方法を助言する。繭美の意外な行動に、最初は繭美らしくないぞと思ったのだけれど、そうだ、繭美も人間だったとハッとする(普通の人間なんだね、とまでは星野ちゃんは思えないようだが)彼女は決して無機質な機械なん

    『バイバイ、ブラックバード (双葉文庫)』(伊坂幸太郎)の感想(987レビュー) - ブクログ
  • 『PK (講談社文庫) [Kindle]』(伊坂幸太郎)の感想(23レビュー) - ブクログ

    3つそれぞれの話は短編としても面白い。 全体で読むと全ての話が実は繋がっていて、 タイムパラドックスものだったことが分かる。 一読では混乱して全ては把握できない。 解説を読んでなるほど!と分かった気になるが やっぱりもう一度読みたい。 バタフライエフェクトという言葉があるように、 誰かの小さな決断や行動が 全く予想もしていなかった いつかの世界やどこかの誰かに 繋がることもある。 それは良いことへの変化かもしれないし 反対に最悪の事態への変化かもしれない。 ひとつの行動は何かを変えてしまう可能性がある。

    『PK (講談社文庫) [Kindle]』(伊坂幸太郎)の感想(23レビュー) - ブクログ