日本サッカーの育成年代、特にトーナメント方式の試合において大量得点差はよく目にする光景だ。ただしこれは日本だけに限った話ではない。意外なことに育成年代のサッカー環境の整備が進んでいるドイツにおいても、U-11以下の50%以上の試合で5点以上の差がついているという。「大勝チームにも大敗チームにもメリットがない」といわれるこの状況を、ドイツではどのように認識し、対策を講じているのか? 今まさにドイツの現場で試行錯誤を繰り返しながら行われている育成年代の試合の再構築について、現地在住の指導者・中野吉之伴氏に解説していただいた。 (文=中野吉之伴、写真=Getty Images) ドイツで導入が進んでいる「フニーニョ」とは? 「明後日は試合だ。どんな試合になるかな? 出られるかな? ゴール決められるかな?」 子どもたちはみんな誰でも緊張でドキドキするし、興奮でワクワクするものだ。でもどれだけの子ど