◆ファミコンと毛糸の店◆ その店は藤屋と言った。かつてどこの町にもあったごく普通の小さな毛糸販売店である。しかし1980年代になると、いつしかそこは「ファミコンと毛糸の店」と呼ばれるようになっていた…… 毛糸屋さんとファミコンにどんな関係があるのだろう。まさか『アイアムティーチャー』シリーズを売っていたからというオチではあるまい。その答えは藤屋店長の息子。通称「ドクター前田」と呼ばれている人物(当時35才)が自主制作したファミコンソフトを売っていたからだったのだ。 それこそ藤屋ファミカセシリーズである。 ※藤屋ファミカセシリーズ3 (画像提供:非売品ゲームコレクターじろのすけさん) このソフトの名前を知っているひとは相当のファミコン通だ。 なぜならこれはマニアの間でも正体がまったく不明だったからである。我々は長い間、ファミコンソフトを網羅したサイトや書籍にその名を見ることはなかった。レトロ

