子供たちを大人にするのはドライバーだ。 めざまし、ラジオ、ゲーム、パソコン。慣れない指でドライバーをまわしてフタをあけ、鉛色に輝くハンダ、得体のしれない配線をおそるおそるつまみながら、裏側の世界をのぞき見る。その背徳感、緊張感は子供たちを大人の世界に導く扉である。 そんなすばらしい世界をドライバーなしで体感できる写真集が『分解してみました』(パイ インターナショナル)。タイトルからしてやばいことがわかる。5月18日発売で価格は3024円。著者はトッド・マクレランというカナダの写真家である。 本の中で見事にばらばらにされているのはシャープペン、スマホ、電子レンジ、アコーディオン、さらには自転車、軽飛行機まで。分解した部品の総数は2万1959個におよぶという。分解するのもそうだが数えた人の苦労もはかりしれない。