小麦粉と塩 小麦粉を水でこねると、グルテンが生地をつなげる働きをします。 だから、うどん作りには、必ずしも塩を必要とはません。 たとえば、生のうどんを茹でずに、そのままだし汁で煮る名古屋の「味噌煮込みうどん」などは、塩を加えずに作るうどんの典型例です。 しかし、塩を加えないうどんは、茹でても芯がいつまでも残り、麺全体を柔らかく茹で上げるのにかなり時間がかかります。 また、塩を加えていないと、たんぱく質分解酵素の働きを抑えることができないので、生地は時間の経過とともにどんどんダレてしまいます。 そのため、この種のうどんは、茹でずに生のまま煮込むのに適しているわけです。 一方、小麦粉を塩水でこねた場合、水だけでこねた時に比べて、グルテンの綱目構造の展開にはやや時間がかかるものの、グルテン組織はより強力に、しっかりと形成されます。 これが塩の収斂効果で、うどん特有のシコシコとした食感を生み出しま