雨がしとしと降る中、夫が、離婚届を持ってやってきました… ドアを開けると、いつも通りの表情の夫がいたので、拍子抜けした。これから離婚届を書こうってときに、緊迫感の欠けらも感じない、ごく普通の表情してるね… そんな普通な感じだと、こっちもやり直したくなるから困るんですけど…… 視線をおとした先には夫の腕の皮膚の表面をおおう体毛がぼんやり浮かんでいた。嗚呼、体温通ってる、いかにもな人間だよな、離れていても心で感じてしまうよ。もう一度その肌の表面に触れてみたい、と気分がグラついた。…和解で離婚する夫婦はとても奇妙だ。 過去に何度も離れかけては、「行かないでくれ!」 …と引き寄せられ、抱きしめられた熱い記憶の再現を、まだ心のどこかで期待しているのか… …それはまるで、ドラマのワンシーンのヒロインになれたような夢心地の気分で、それが恋をする理由だとはじめて知った。情熱の炎に包まれながら、自分の存在価
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