東京から大阪へ引っ越して5年ほどになるのだが、ことあるごとに感じるのは大阪から京都と神戸への距離の近さである。どちらも電車に乗れば30分ちょっとで行けるので、割と気軽に飲みに出かけたりしている。 一方で、同じようにたびたび感じるのが和歌山県の遠さである。大阪駅から和歌山駅まで、普通列車だと1時間半ほどかかり、さらにそこから紀伊半島を南に下ろうと思えば特急列車を利用しても2時間以上かかる。 もちろん、電車に乗っていさえすればとりあえず着くのだから交通の便には感謝しなければならないが、京都や神戸に比べると心理的な距離感がかなりある。しかし、その距離ゆえなのか、和歌山には独特の文化が色濃く残っているように感じられ、行くたびに新鮮な発見がある。 「和歌山は関西の秘境で、ローカルな面白さにあふれているんです。それに食べ物もおいしいし!」と、和歌山が大好きで京都方面からよくドライブ旅行に行く友人がおり