最近、民放キー局の競争は激しさを増すばかりだ。ここ数年、日本テレビ放送網がトップを独走してきたが、絶好調のテレビ朝日が背後に迫り、3位のTBSテレビも視聴率の上昇が続く。各社とも1分1秒、総力を挙げたシェア獲得競争に臨んでいる。 そんなキー局の放送エリア内で、1979年から40年間放送を続けてきたのが関東ローカル局の1つ、テレビ埼玉(愛称:テレ玉)。埼玉県内外のアンテナ視聴可能世帯数は441万世帯、ケーブルテレビを含めると871万世帯にのぼる。プロ野球や高校野球、サッカーなど、地元スポーツ中継の手厚さで知られるが、数々の独自制作番組も抱えている。 ローカル局ながら、テレ玉には全国区の番組や、日本を飛び越えて世界に名をとどろかせている名物番組もある。社員はわずかに67人。少ない予算、限られた放送地域といった制限がある中、絶えず追求しているのはキー局とはまったく異なるテレビの姿だ。 「埼玉の奇