名古屋市で上水道の供給が始まったのは1914(大正3)年のことで、以来、給水エリアの拡大や人口の増加に合わせて数次にわたる事業拡張が行われてきた。東山配水塔(旧称)は事業初期の1930(昭和5)年に千種区覚王山地区一帯の高台への配水を目的として建てられ、1973(昭和48)年まで使用された。老朽化のため一旦は役目を終えた東山配水塔であったが1979(昭和54)年から災害対策用の給水塔として再利用されることになり、最上部のタンクには10万人の1日分に相当する約300立方メートルの飲料水が常時貯水されている。建物外観は鉄筋コンクリート製の円柱状塔体の上に円筒形のタンクを載せただけのものであったが、1983(昭和58)年に改修が行われてとんがり屋根を載せた展望台が備えられた。 なおこの塔は現役稼働中の東山配水場の敷地内にあるため通常は公開されておらず、毎年春分の日と8月8日の一般公開日に限って見