「1台のマシン上で複数のOS(オペレーティング・システム)を動作させ,それぞれのOS上で異なるサーバー(仮想サーバー)を動作させたい」---。従来,このような環境を実現するためには,大型汎用機(メインフレーム)や大型のUNIXサーバー機を用いるか,あるいはPCを使う場合は,高価な有償ソフトウエアが備える仮想化技術を利用するほかなかった。 ここでいう仮想化技術とは,1台のマシンの上で複数OS(ゲストOS)を同時稼働させるための技術。個々のゲストOSは独立して動作するため,あたかも複数のマシンが稼働しているように扱えるわけだ。高価なマシンを有効利用できるだけでなく,電気代を節約できるし,サーバーの設置場所も狭められる,というメリットがある。 最近,この仮想化技術を実現するソフトウエア「Xen」が注目を集めている。筆者も注目しているソフトウエアだ。 Xenは,英ケンブリッジ大学コンピュータ・ラボ