「しあわせ」という言葉は一般的に、「幸せ」と書きます。しかし、仏教では「仕合わせ」と書くのです。 「幸せ」は「海の幸」などと同様に、願って入手できるものです。ですから、いったん手に入れるとさらに欲しくなりますし(貪欲[とんよく])、逆に求めても得られない場合は苦しみます(求不得苦[ぐふとくく] )。これに対して「仕合わせ」とは、いのちが使われ、輝く場に出合うことを指します。つまり、自らが個性を存分に発揮し、周囲と調和している状態こそが、仏教が教える「しあわせ」なのです。 では、従業員を「仕合わせ」にするために、人事は何をすべきなのでしょうか。 企業は利益の最大化を目指すため、高い能力を持ち、一生懸命に仕事に打ち込む、いわゆる「優秀な人材」ばかりを求めがちです。そして、そうした人材像から外れた人を組織から排除したり、無理やり変えようとしたりします。でも、人はそれぞれ個性を持っていることを忘れ