さて、1990年代の中頃、イタリアは自転車熱がすごく盛り上がった。原因はいくつかあるが、まずはパンターニの出現である。それまでの数年間はインドゥラインに見られるように、チームでレースをコントロールし、山は無難に走りきってタイムトライアルで勝負することが主流だった。 パンターニはこのやり方を根底から覆し、昔のレースのように山場を勝負どころにした。その結果、自転車の人気が一気に盛り返したのだ。僕の知る限り、イタリアでこの30年間、テレビのコマーシャルに出た自転車選手はブーニョとパンターニだけだ。 恥ずかしかった「日本の自転車雑誌」 パンターニの出現で、イタリアの自転車熱はそれまで以上に高まり、レース会場には多くの人が詰めかけた Photo: Yuzuru SUNADA それから世界的なマウンテンバイクのブームも追い風となり、イタリア国内の雑誌はロードとMTBを合わせると20を超えた。これは驚異
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