「サイバーセキュリティーを組織としてどう高めるか」。多くの日本企業が直面する課題だ。その導き役として最近注目している「教科書」がある。まずは数字で現状をおさらいしよう。 ランサムウエアからの復旧に平均13日かかる 過去3年間に日本企業(従業員500人以上)の56.8%がサイバー攻撃の被害に遭っている――。トレンドマイクロとNPO法人CIO Loungeが2023年11月1日に公表した「サイバー攻撃による法人組織の被害状況調査」の結果だ。被害に遭った企業における過去3年間の累計被害額は平均1億2528万円。1度でもランサムウエア(身代金要求型ウイルス)の被害に遭った企業に限ると累計被害額は平均1億7689万円と5000万円ほど上振れする。 同調査によれば、最も対応コスト(被害に対処するコストと復旧に要したコスト、再発防止に投じたコストの3つの合計)が大きかったサイバー攻撃について、国内拠点が
バグは“数千パターンのテスト”をすり抜けた ―NTTデータ「2023/10/10 全銀ネット障害」について説明 NTTデータグループは2023年11月6日、10月10日に発生した全国銀行データ通信システムの障害に関する記者説明会を実施、現時点で判明している障害の概要について説明を行うとともに、再発防止策に向けたタスクフォースの設立などについて明らかにしました。会見の冒頭、NTTデータグループ 代表取締役社長 本間洋氏は、今回の障害により全国の預金者や金融機関をはじめとする社会全体に大きな混乱をもたらしたことを謝罪し、今後の原因究明と再発防止に向け、全国銀行試験決済ネットワーク(以下、全銀ネット)とともに全力をかけて取り組むことを明言していました。 本記事では会見の内容をもとに、現時点で判明している10月10日の事故の原因についてレポートします。 2023年10月10日 ―なにが起こったのか
次のシナリオを想像してみてほしい。あるSNSが、人々の間に広く普及し、世界の2大ゲーム機メーカーがコントローラーにそのSNSへの投稿用ボタンを設置するほどの人気を獲得したものの、それを理由もなくダメにしてしまった──。 とは言ってもこれは架空の話ではなく、イーロン・マスクのX(旧ツイッター)で起きたことだ。まず、マイクロソフトのXboxが4月、ツイッターとの統合を廃止。そして今度はソニーのPlayStationも、コントローラー上の「SHARE」ボタンによるXへの投稿機能を今後サポートしないと発表した。このボタンはこれまで、ゲーム画面のスクリーンショットや動画をSNSで共有する最も簡単な方法だった。 サポート終了の理由は、イーロン・マスクがXのAPI利用料金を大幅に値上げしたことにある。ソニーやマイクロソフトのような大企業の場合、利用料金は最低でも月額4万2000ドル(約630万円)。最も
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