2000年代初頭の個人制作アニメブームの最中に頭角を現し、数々の賞を受賞してきたアニメーション作家・吉浦康裕。彼が08年から09年にかけてWeb上で発表し続けてきた、初の連作アニメーション『イヴの時間』が2010年3月に劇場作品として公開される。 Webアニメとしてスタートした『イヴの時間』、その魅力とは何なのか。そして吉浦監督にとって、理想のアニメーション制作現場とは何なのかをうかがった。 ■『イヴの時間』が生まれるまで ――映画『イヴの時間 劇場版』完成、おめでとうございます。まずは作品を知らない読者に本作の簡単な説明をお願いいたします。 吉浦康裕監督(以下、吉浦) ありがとうございます。『イヴの時間』は、人間とアンドロイドが共存する未来、「イヴの時間」という不思議な喫茶店に集うアンドロイドと、そこに迷い込んでしまった少年の奇妙なドラマを描いた作品です。 吉浦 大学の頃から自主制作でア