2月13 バッタとセロトニン 中国の歴史を見ていると、バッタの大発生現象「蝗害」の凄まじさによく驚かされます(よく「イナゴ」と表記されますが、正しくはバッタだそうです)。日本でのバッタは、そこらの野原に行けばすぐ見つかるおなじみの昆虫というイメージしかありませんが、中国やアフリカなどでは数年おきに空が暗くなるほどの大発生が起き、およそ食べられそうなもの全てを食い尽くします。このため人々も飢え、時に王朝の滅亡に至るほどの破滅的な被害を与えます。1870年代のネブラスカ州では、幅160km、長さ500kmというとてつもない群れが現れたそうで、この猛威を見ていると、虫の皇帝を意味する「蝗」の字が当てられたのも納得がいくというものです。 バッタはふだんはおとなしい虫ですが、大発生すると性質までも大きく変化します。この群生相になると、体の色が暗い色になり、羽が長くなって100kmもの長距離を飛行でき