3時間00分 脳で走れ、と誘いかける。 姿勢の取り方ひとつで、日本人の誰もが平均0.3秒は速く走れるようになる、と断言する。 著者は、1000分の1秒の単位で「より速く」を目指してきた、日本ハードル界の第一人者。先行逃げ切り、ロケット・ダッシュの勇姿から、付いた異名は「サムライ・ハードラー」。世界陸上のトラック競技で日本人初、2つの銅メダルを獲得。高さ91.4センチ、35メートル間隔で並ぶ、10台のハードルを飛び越えていく400メートルハードル走の現役ランナーだ。 引退した元選手にありがちな精神論は、一切なし。文化系の読者であっても、トラックに立ち、いまにも駆け出したくなる、そんな気分にさせてくれる本だ。 誰もが速くなる、と太鼓判を押す一方で、日本人はもともと足の遅い民族だという。そういえば、オリンピックや世界選手権などの短距離走で決勝レースに出場するのは、ほとんどが黒人選手。なぜ、日本人