米本昌平他「優生学と人間社会」(講談社現代新書) 本書については、森山和道氏と加藤弘一氏の書評を続けて読む機会があり、これは面白いかもと思い買ってみたのだが、これは大変な本で、大袈裟に言えば、21世紀を生きる上で踏まえなければならない前提が多く含まれている。本書については、以前からじっくり取り組んだ文章を書きたいと思っていたのだが、どうしても考えをうまくまとめることができないうちに時間ばかりが過ぎてしまうので、とにかく記録として書き留めておく。それだけの価値のある本であることは保証する。 本書の帯にも書いている通り、「優生学」と聞いて誰もがまず思い浮かべるのは、ナチスの優生政策だろう。そして反射的に優生学というものを約半世紀前のナチスの政策と同一視し、タブー視したところで思考停止しがちである。しかし、そんなに単純なものではない。本書はまず、優生学の起源を明らかにすることで、「優生学といえば
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