天皇と外国要人の会見を設定するには1カ月以上前に内閣を通した申請が必要とされる。この「1カ月ルール」は1995年ごろから慣例化され、天皇が前立腺がんの手術を受けたあとから厳格に適用されてきたという。天皇の年齢や健康に配慮してのことだ。 今回の場合、外務省を通じて最初の打診があったのは11月26日という。羽毛田長官によると、その際は「応じられない」と回答したが、その後も2度にわたって平野博文官房長官から要請があり最終的に了承した。要請の際、平野氏は「日中関係の重要性」を指摘し、最後には「鳩山由紀夫首相の指示」による要請であることを強調したという。 天皇と外国要人の会見は憲法に規定された国事行為で、内閣の助言と承認に基づいて行われる。これに照らせば首相官邸の要請によって会見が設定されたこと自体は越権行為とは言えないだろう。 会見設定の背景には、日中関係を改善・発展させたいという中国側の強い意向