平安時代から日本の文化に根付いてきた盆栽。四季折々の風情を映し出す小さな自然と対峙すると、ゆっくりと心がひもとかれてゆくように感じられる。 最近、注目を集めるミニ盆栽は、気軽さが魅力。 ひさしぶりの土の感触を楽しみに、盆栽の世界の扉をそっとたたいてみた。 文・ランズ 「盆栽村っていう地名があるのよ、盆栽屋さんがいっぱい集まってるんですって。行ってみない?」と妻に誘われたとき、一瞬、どんな用事を作って断ろうかと思った。決して盆栽が嫌いなわけじゃない。 見れば美しいと思うし、丹誠込めて育てられていることもわかる。ただなんというか、私にとって盆栽は、なんとなく取っつきにくいものだったのだ。 盆栽は、見ても、体験してもよし だが、結局、妻の誘いにのったのは、最近、これまでとは違う、カジュアルな盆栽を目にする機会が多くなり、私の中で、少しだけ盆栽のイメージが変わってきていたからである。