山口県光市の母子殺害事件の差し戻し控訴審での証言をゆがめて報じられ名誉を傷つけられたなどとして、精神科医の野田正彰・関西学院大教授が、日本テレビに対し1100万円の損害賠償と謝罪の放送を求め、京都地裁に提訴した。 訴状によると、野田さんは弁護側の依頼で被告の元少年を精神鑑定し、07年7月に広島高裁の公判に出廷。日本テレビは情報番組で、捜査機関の供述調書を鑑定資料から省いた理由について、野田さんの法廷での証言の一部だけを放送。「山のような鑑定資料をもらったが、全部読むのは面倒くさかった」と、声優に語らせるなどしたという。必要な資料を絞り込んだという意味が、不誠実な対応をした印象を与えた、などと主張している。 日本テレビは「当社の見解は今後、法廷で述べていく」としている。