「寺ブーム」などとも言われ、宿泊できる宿坊や座禅会がにぎわっている。「単に流行に乗って来て欲しくない」という寺側の声もあるが、真摯(しんし)な気持ちで修行をしたいという要望には、さまざまなかたちで体験できるよう開かれた寺も多い。 埼玉県名栗村の山間部、名栗川上流付近に建つ曹洞宗の禅寺・福王山正覚寺。約520年続くこの寺で、21代目・石井早苗住職が宿坊を始めたのは20年ほど前のこと。悩みを抱え「一人で静かに過ごしたい」という声が多く寄せられたからだという。 入山は午後3〜5時。ひと休みしたら座禅を組み、7時ごろに夕食。入浴を9時までに済ませ、本堂内の和室で就寝。翌朝は5時半起床。6時から住職による読経、座禅を組み、8時ごろ朝食。希望者は写経などをした後、10時までにはおのおの寺を後にする。 座禅は本堂の庭に面した窓辺で。作法はビデオ学習に加え住職から手ほどきを受けるので、初心者でも大丈夫。「