天文学者ハッブルは、地球からうんと遠く離れた天体が、どちらを見ても地球から猛スピードで遠ざかっている事を観測で明らかにしました。これは宇宙が一様に膨張していることの証拠です。このことは、時間を逆にたどっていくと、私たちの宇宙がその昔非常に小さかったことを示唆しています。また、得体の知れない雑音電波としてペンジャースとウイルソンを悩ませた、私たちの宇宙を満たしている弱い電波(宇宙マイクロ波背景輻射)は、宇宙の膨張とともに温度が下がり続けている黒体輻射(ビッグバンの残光)であることがわかりました。邪魔な雑音電波と思われたものが実は宇宙がビッグバンより始まったことを示す決定的な証拠となる世紀の大発見だったわけです。 今から 約137 億年ほど前、私たちの宇宙は大爆発とともに生まれたと考えられています。その誕生直後の宇宙は、熱く煮えたぎり、高いエネルギーの光で満たされていました。この光が雑音電波