昨日、一日中この記事のことを考えていた。直木賞作家の坂東眞砂子が自分の飼い猫のこどもを間引いていたという話である。生まれたての子猫を殺害することになるわけで、当然のごとくネットでは非難の嵐が巻き起こっている。 感情的にはぼくもそれに賛成しないこともない。まだなにも知らない無垢な子猫を殺すなんて、なんというひどい奴! だが、はたしてそれで済む話だろうか。 ぼくの場合、わりとむかしから、動物愛護とか動物虐待という概念には違和感を感じていた。自然界では弱肉強食の原理で生きている動物をつかまえて、虐待だの愛護だのということには、どこかに欺瞞が隠れているように思えたからだ。 だから、とりあえず今回は感情の声は無視することにしようと思う。そのかわり理性の声に耳を傾け、少し真剣に考えてみることにしよう。 さて、あらためて考えてみる。本当に子猫を殺すことは「悪い」ことなのだろうか? 可愛くなければ殺しても