ポルノグラフィティが流したように、百万人のために唄われたラブソングなんかに涙流したりしないぞと思う一方で、百万人に唄われるラブソングが書きたいと思うことがあるんです。もちろん歌は喩えで、別分野の話ですけれど。王道で勝ちに行ってみたいなぁと。 大変有り難くも自分の名刺として使える仕事の実績があって、でもそれって搦め手というか既存の改良版みたいなやつで、そのときの自分の最大限ではあるけれど、今振り返ると納得いってない部分もあるんですね。はっきりと、その道を突き詰めてもじり貧だよといわれたこともあるし。 だからいつか、でもそう遠くない段階で王道で勝ちに行きたいなと思って、そして、一度チャレンジして失敗したんです。失敗というとちょっと違うのかな、定石をなぞって形としてはまとまったけれど、ほとんど誰にも響かなかった。小さくまとまりすぎて軽かった。 それでそのとき経験として自分の中に蓄積されたのが、王