1997年に神戸で小学生が連続して襲われる事件があり、この事件により山下彩花さんと、土師(はせ)淳くんの尊い命が亡くなりました。その事件の犯人は、当時14歳であった少年『A』でした。Aは子どもの頃、祖母に全てを受け入れられ、愛されている事を感じていました。しかし祖母の死という絶望に直面し、そこから虫や動物を殺すようになり、連続児童殺傷事件へと繋がりました。 Aには年の近い弟がいましたが、今回はその兄弟関係などについてを触れたいと思います。参考にしているのは、Aの両親が執筆した『「少年A」この子を生んで‥‥‥』と、矢幡洋さんの執筆した『少年Aの深層心理』と、児童精神科医の佐々木正美さんの『続 子どもへのまなざし』と言う本です。 虐待者にして被虐待者 弟たちへ暴力を振るっていたAは、暴力を用いて叱られ、喧嘩を辞めさせられていました。Aは暴力を暴力で抑えられていたのです。Aは周囲の人への暴力を辞