予約した簡易宿所に向かって鴨川沿いを歩く中国人の家族連れ(京都市下京区) 京都市下京区の鴨川近くにある民家の玄関前には水が入ったバケツと消火器が並ぶ。「たばこの不始末などが怖くて」。住人の女性はため息交じりに話す。 一帯では近年、民家を改装したゲストハウスなどの簡易宿所が急増した。女性は火事や犯罪への不安を募らせ、防犯用ライトも自費で取り付けた。「住民が減り、町内会が成り立たなくなった。宿が増えてもうれしいことはない」 簡易宿所は、旅館業法に基づく営業許可を受けた施設。京都観光の好調を受け、市内ではここ数年で爆発的に増えた。8月末時点で2627棟となり、5年前の7倍近くに達した。ホテルや旅館に比べて客室の数や面積の基準が緩い。その上、6月施行の住宅宿泊事業法(民泊新法)で営業日数が年180日以内に制限された民泊とは違い、1年中営業できる利点が注目され、開設の動きが加速した。 特に目立つのが