ぼくは昔ハードカバーで読んだけど、文庫本で上下巻に分かれて出てるのね。上巻1100円、下巻900円って元々いかに分厚い本だったかわかるよね。 20年近く前に書かれたもので(1994年だって)古いようでまったく内容は古びていないはず。とにかく面白いのは佐野さんの手によるものだからだけど、それ以上に正力の人生が面白すぎるから。CIAとか原発とかいうと陰謀だらけみたいだけど、タイトル通り巨大な怪人物の不思議な生き様の物語だ。 東大を出て警察官僚になったがある事件の責任をとって辞職。ここでなぜか後藤新平が登場し、当時はあまたの新聞社のひとつだった読売新聞社を正力に託す。数万部の新聞社をあの手この手で成長させ、あっという間に大新聞に育て上げる。あの手この手のひとつが、読売巨人軍の創設だ。日本にプロ野球リーグができる前に巨人軍は誕生している。なんと、アメリカ野球と戦うためだ。だから巨人”軍”なわけ。巨