『鬼滅の刃』や『呪術廻戦』などの大ヒットが牽引する形で、活況を呈しているコミック市場。その中で今存在感を放っているのが、性描写やフェティシズムを大胆に取り入れた「ちょいエロ」コミックだ。インターネット・SNSを中心に話題が広がり、青年漫画や少年漫画といったジャンルを超えて、さまざまな読者から人気を集める作品も増えている。しかし、なぜいま「ちょいエロ」なのだろうか? これまでにもあった、いわゆる「エロ漫画」との違いとはなんなのか? 話題作の担当編集からのコメントを寄せていただくともに、日本出版販売株式会社で本の情報サイト「ほんのひきだし」編集部の吉田元さんに、コミックを取り巻く最新事情についてお話を伺った。 (取材・文=小川智宏) ――今、コミックの売上が伸びているそうですね。 吉田:今年に入ってちょっと途切れてしまったのですが、昨年までは前年比で100%を超える売上となっていました。やはり