【ワシントン=勝田敏彦】携帯電話の長時間使用で、手や腕のしびれや痛みを訴える人が増えている。ひじを鋭角に曲げ続けていると起きる症状で、全米有数の医療機関の一つクリーブランド・クリニック(オハイオ州)のチームが、注意を呼びかける論文を同クリニックの学術誌に発表した。 論文によると、「肘部管(ちゅうぶかん)症候群」または俗に「携帯電話ひじ」と呼ばれる症状で、ひじの内側を走る神経(尺骨神経)が圧迫されるのが原因。 ひじを曲げて使うのは固定電話でも同じだが、チームのピーター・エバンス博士は「電話が一家に1台のころは、そんなに電話はしなかった。だが今は、街を行く多くの人がひじを曲げて携帯で話しているし、携帯を持ったまま寝てしまう人もいる。ここ数年、症状を訴える人が増えた」と指摘する。 症状が進むと、指が曲がらなくなったりする。尺骨神経の位置をずらす手術も行われている。論文は、携帯電話を持つ手を