世界の潮流に逆らうかのようにして、単科の精神科病院が多く存在する日本。 2001年の時点でさえも、世界に存在する約185万床の精神科ベッドのうち、約5分の1である32万床のベッドが日本にあったという。それに対し、1998年には全ての精神科病院が機能を停止したイタリアは、現在も地域精神医療を重視し、精神障害者の社会的生活が実現されることを重要視している。 果たして、この両者の違いはいったい何であるのだろうか。そして、これから先、精神障害者を含む「社会」がより良いものになるための方針は、どのようなものであることが望ましいのだろうか。 精神科病院廃絶を叶えたイタリアの精神科事情 イタリアには精神科病院がない。 もちろん、過去には精神科病院が存在し、ローマには欧州最大と言われた2,600人の患者を収容した病院もあったそうだ。しかし、1960年代に、とある精神科病院に赴任した精神科医のフランコ・バザ
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