マイノリティによるマイノリティへの侮蔑行為、これがこの一件の本質だ。(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ) ワールドシリーズ第3戦で、ドジャースのダルビッシュ有にアジア人を揶揄するジェスチャーを見せたアストロズのユリ・グリエルに対し、MLBのロブ・マンフレッド・コミッショナーは来季開幕からの5試合の出場停止というペナルティを課した。これは極めて政治的な判断だ。また、この一件は人種問題の根深さを改めて浮き彫りにした。 マンフレッドは、グリエルへの出場停止処分をワールドシリーズの次戦(第4戦)とせず、来季開幕からに先送りした。その理由を彼はいくつか挙げているが、その中でもっとも重要なものは「他の24人への影響を避ける」としたことだ。これは、処分の影響を基本的にグリエル自身にとどめ、ワールドシリーズというMLB最大のイベント自体がガタガタすることを避けたかったということで、