琵琶湖の生態系を支える水中の植物プランクトンの分布に異変が起きていることが日本と台湾の研究グループの解析で明らかになった。過去約30年の間に少数派のプランクトンが次々と姿を消していた。専門家は「温暖化の影響で他の湖沼でも同様の変化が起きている可能性があり、調査が必要だ」と語る。 滋賀県琵琶湖環境科学研究センターの一瀬諭さんらが、1978年から湖水1ミリリットルに含まれる植物プランクトンの種を顕微鏡で数えてきた。78~87年には140種確認できたが、98~2006年には24%減の106種になっていた。 これが単なる種の減少にとどまらないことが、台湾大学海洋研究所の謝志豪教授や大学院生の蔡政翰さん、立命館大学の熊谷道夫教授らの解析で判明した。