詩人の谷川俊太郎さん(83)らが戦争と平和について子どもたちと一緒に考えるイベントが1日、東京都内で開かれた。新刊絵本「せんそうしない」(講談社)の出版を記念したもの。「子どもたちが戯れる平和な日常がいきなり焼け野原になってしまう。そのショックを、子どもたちに与えたかった」と話した。 「ちょうちょとちょうちょはせんそうしない」「せんそうするのはおとなとおとな」。谷川さんは、集まった親子連れら130人に絵本を読み聞かせた。また、東京・杉並の自宅近くが空襲に遭い、多くの焼死体を目にした体験を振り返り、「映画でみたことある? 怖かった?」「本当に戦争が起こったら怖いんだ」と語りかけた。 イベント後の取材で、谷川さんは「『戦争はだめだ』という言葉を反復するだけでは、子どもは慣れてしまい、言葉が力を持たなくなる」と、戦争を語り継ぐことの難しさにも触れた。(伊藤舞虹)