日本銀行は20日の金融政策決定会合で物価見通しを下方修正し、目標とする「物価上昇率2%」の達成時期を、これまでの「2018年度ごろ」から「19年度ごろ」へ1年間先送りした。日銀の想定通りに企業の賃上げが進まず、物価上昇に波及していないためだ。来年4月までの黒田東彦(はるひこ)総裁の任期中の目標達成は、完全に見送られることになった。金融政策は「現状維持」とした。 3カ月に1度まとめる「経済・物価情勢の展望(展望リポート)」で公表した。目標達成時期の先送りは、昨年11月に続いて6度目。13年春の大規模な金融緩和の開始後、達成に6年以上かかることになる。 消費者物価(生鮮食品を除く)の上昇率の見通しは、17年度平均は4月時点の1・4%から1・1%に、18年度は1・7%から1・5%、19年度(予定される消費増税の影響を除く)は1・9%から1・8%にそれぞれ引き下げた。 堅調な海外経済を追い風