復元作業を終えた岩手県陸前高田市の「奇跡の一本松」について、住民が「以前の姿と何かが違う」と首をかしげている。落下の危険を考慮し枝葉をわざと少なめにしたため。市は「復元はこれで精いっぱい」と理解を求めている。 一本松は景勝地「高田松原」の約7万本の松で唯一東日本大震災の津波に耐えたが、立ち枯れたために市が保存を決定。昨年9月に切断し防腐処理を施した幹にレプリカの枝葉を取り付け、今月作業を終えた。7月3日に完成式典を開く。 「高田松原を守る会」の鈴木善久会長(68)は「葉が減って寂しい感じ。人工なら限界なのかな」。市の担当者は「震災後、姿は変わった」。一本松は震災直後には葉を茂らせていたが徐々に落葉し、切断した際には枝だけになっていた。一本松を見続けてきた人には震災直後のイメージが強いようだ。 ただ、高さ30メートルの松が強風に耐えるには枝葉を少なくして風圧を受ける表面積を減らす必要もあり、