Kernel/VM探検隊@東京 No17 で発表した内容です。 スライド内で紹介した配信のアーカイブはこちら(2本に分かれています): 【前半戦】Z80をRustで動かすまで年が越せない配信【年末特番】 https://youtube.com/live/9eTlxU6kQxg 【後半戦】…
Linuxでddで1GBのファイルを作成し perf でプロファイリングし、Flame Graph (炎のグラフ?)にして可視化したものです。 Flame Graphs は perf(Linux)、SystemTap(Linux)、DTrace(Solaris、Oracle Linux(UEK)、Mac OS X、FreeBSD)、XPerf.exe(Windows) などでのプロファイリング結果を可視化して最も使われているコードパスを早く正確に特定することができます。実体はプロファイリング結果をグラフ(SVG)に変換する Perl スクリプトです。 下から上に行くほどコールスタックが深く、左から関数名のアルファベット順でソートされています。一番上で横幅が広い関数がCPUを長く使っています。今回は "_aesni_enc1" つまり暗号化がボトルネックになっていることがわかります。 システ
Linuxカーネル内部をフックするeBPFを用いてセキュリティの可観測性を実現する「Tetragon」がオープンソースで公開 Linuxカーネルを書き換えることなくその内部の機能をフックし、フック先でサンドボックス化されたプログラムを実行することにより、カーネルをプログラマブルに機能拡張できる「eBPF」(Extended Berkeley Packet Filter)は、クラウドネイティブ関連で最も注目されている技術の1つです。 eBPFを用いたソフトウェアとしては、CNI(Container Networking Interface)を用いてコンテナ間のセキュアな接続やロードバランシングなどさまざまな機能拡張を実現する「Cilium」がCloud Native Computing Foundationのプロジェクトとしてよく知られています。 今回、そのCiliumを開発するIsoval
追記 (2022 5/29): サーバ代をケチるべくVercelに移行しました。動いていたソースコードは ココ に置いてあります。 あなたの予想に反して、このページが見えているでしょうか?このWebサイトは自作OSのKerlaが提供しています。 これは自作OS Advent Calendar 2021の23日目の記事です。 自作OS「Kerla」の紹介 Kerla(かーら)はRustで書かれたLinux ABI互換モノリシックカーネルです。今年の春頃から作り始め、DropbearというSSHサーバが動作する程度には基本的なUNIXの機能が実装されています。具体的には、ファイルの読み書きやUDP/TCPソケット、fork/exec、シグナル、擬似端末といったものです。 カーネル実装の雰囲気を軽く紹介すると、Kerlaでは以下のようにシステムコールが実装されています。 /// write(2)
eBPF(extended Berkley Packet Filter)という用語を著者が初めてみかけたのは、2015年ごろだった。最初は、eBPFをその字面のとおり、パケットキャプチャやパケットフィルタリングを担うだけの、Linuxの新しいサブシステムであろうと認識していた。しかし、実際にはそうではなかった。 システム性能の分析のための方法論をまとめた書籍Systems Performance 1 の著者で有名なBrendan Greggが、Linuxのネットワークサブシステムとは特に関係ない文脈で、古典的なシステム性能計測ツールでは計測できないことを計測するツールを作っていた。その計測ツールがeBPFという技術によって実装されていることを知ったときに、eBPFに興味をもったのだった。また、eBPFは、システム性能を調べる用途以外にXDP(eXpress Data Path)と呼ばれるプ
はじめに (本記事は Linux Advent Calendar 2020 および 東京大学 品川研究室 Advent Calendar 2020の11日目の記事として書かれました。) カーネルのビルドについての情報はググると色々と出てきますが、「ここを見ればOK」と思えるサイトに巡り会えていないので、自分で書いてみることにしたのが本記事です。 いずれLinuxカーネルをビルドする必要にかられるであろう研究室・学科の後輩や、忘れっぽい将来の自分のためにも、改めてLinuxカーネルのビルド方法についてまとめてみたいと思います。 概要 さて、「カーネルをビルドしよう」という状況に置かれた場合、実際にすべきことは主に以下の4点だと思います。 ソースコードの取得 ビルド環境の構築 カーネルコンフィグの準備 ビルド及びインストール そこで本記事では、カーネル本体のビルド上記の4点の他、関連して以下の
My first steps with eBPF. In this article I'm describing how I used bluetooth tracing with eBPF to handle locking of my laptop. I heard “eBPF” so many times in recent days that I’ve decided to give it a try. I have very limited knowledge about kernel tracing so I thought it is good opportunity to learn something new. One particular talk (by Brendan Gregg) especially caught my attention and I recom
はじめに 本記事は電子書籍版もあります。 linuxカーネルはC言語のマクロを駆使して書かれています。それらのうち、凝ったマクロになじみの無い人には初見では意図がわからない&わかってみれば面白いであろうものをいくつか紹介いたします。対象読者は、C言語のユーザだけれども、マクロは定数定義くらいにしか使わないというライトなマクロユーザです。 マクロを使用する場所に依存するエラーを防ぐ 次のマクロは、二つの引き数の値を置換するだけの単純なものです。 #define swap(a, b) \ do { typeof(a) __tmp = (a); (a) = (b); (b) = __tmp; } while (0) 注目すべきはマクロの定義全体を囲んでいるdo { ... } while (0)という表記です。初見の人には何のことかわからないと思います。考えられる最も単純な定義から遡って、なぜこ
怒田さん*1のこの記事、「CとRustで一から作るマイクロカーネルOS」のおかげで、マイクロカーネルとRustが今ホットです。そこで、技術書典6, 7に出展したYabaitech.tokyoにて連載している、"Writing a (micro)kernel in Rust in 12 days"から、マイクロカーネルとL4についての話を書いた"1日目"の記事の一部冒頭を、いい機会なので再編集してご紹介します。「マイクロカーネルってタネンバウム教授とリーナスの論争のあれだよね?」とか、「L4ってなに?」って方に読んでいただいて、L4ファミリーとマイクロカーネルについて簡単にご紹介できればなと思います。 ちなみに抜粋元の上述の記事は、僕が怒田さんと同じようにRustでマイクロカーネルを書いてみよう、という趣旨の企画です。なので、Yabaitech.tokyoの方もよろしくお願いします!ただし、
概要 「詳解Linux Kernel」を参考にVersion 2.6.11のコードリーディングをしていく。CPUのアーキテクチャは書籍に沿ってIntelのx86とする。 今回は割り込み処理について見ていく。(*nは参考文献のn番目に対応する) 割り込み処理 例外ではほとんどの場合その例外の発生元となっているカレントプロセスにシグナルを送信することで処理する。例外処理もシグナルを受け取るまでは遅延される。 しかし割り込みの場合には別の無関係なプロセスが動作している際に発生することがあり、単純にカレントプロセスにシグナルを送信するだけではない。 割り込みは大きく3種類に分類される。 I/O割り込み 当該割り込みでは割り込みに対応する動作を決定するために割り込みハンドラからデバイスに対して問い合わせを行う必要がある。 タイマー割り込み ローカルAPICタイマや外部タイマなどが発生させる割り込みで
この記事はLinux Advent Calendar 2018の1日目ですΣ(゚∀゚ノ)ノキャー イントロ ほんとは別の内容にしようと思ってたのですが、進めてる途中でカーネルのデバッグをするハメになったのでカーネルデバッグをネタにしてみました。カーネルのデバッグと言っても普通のデバッグと変わらないよね〜というところがわかると思います。(`・ω・´)<コワクナイヨー デバッグの環境としてはlibvirt(qemu)で動いてるゲスト環境にホスト側からgdbでデバッグする感じです。ディストリビューションはFedora 29です。デバッグするカーネルはFedoraのカーネルで4.19.2-300.fc29.x86_64です。 テストコード テストコードは↓です。これはdebugfsのディレクトリ(大概は/sys/kernel/debug/だと思います)にopen-testってファイルを作って、その
(2018/08/09追記)たくさん「いいね」を頂きました。ありがとうございます これは何? ネットにある多くの情報は「Dockerの本質について」触れていないものが多いように感じたので、そのギャップを自分が理解した範囲で埋めてみます。 主に以下のことを説明します。そのため、Docker(Kubernetes)の特徴の説明の多くを省略しています。 「なぜDockerが生まれたのか?」(Docker以前~Dockerの先にあるもの) 「Dockerは純粋な仮想化ではない」(これまでの仮想化との違いの話) 「Dockerが1コンテナ1アプリの理由」 「Docker=開発環境を簡単に、早く作れていいね」という*だけ*ではない。 「Dockerの野望(本当のゴール)=負荷分散システム(Kubernetes)」であることを説明する。 最後になりましたが、私のDockerの経験は浅く、Kubernet
Linuxのカーネルは膨大な数のソースコードから成り立っており、どこに何の処理が書いてあるのかぱっと見当をつけるのにはかなりコードを読み込む必要があります。「Interactive map of Linux kernel」はそのソースコードを機能とレイヤーで分類して表示してくれるサイトということで、使い勝手を試してみました。 Interactive map of Linux kernel http://www.makelinux.net/kernel_map/ サイトにアクセスし、ロードが終わると下の画像のように6列6行の表が表示されます。列が機能の分類を表しており、「インターフェース」「システム」「処理」「メモリー」「ストレージ」「ネットワーク」という分類になっています。行はレイヤーを表しており、上からシステムコールなどの「ユーザースペースインターフェース」、「バーチャル」、「ブリッジ」
TLPI (The Linux Programming Interface) 再々。 TLPI の輪読の際に @matsumotory よりシグナルセットあたりをまとめるようにと指令が出たので、拙遅な感じでまとめました。 シグナルとは プロセス間通信の一種。「プロセスにシグナルを送信すると、そのプロセスの正常処理に割り込んで、シグナル固有の処理(シグナルハンドラ) が実行される」プロセス側では、シグナルを受信した際の動作(シグナルハンドラ) を設定することや、シグナルをブロックすることも可能。 コンソールで、プロセスを終了させるためにkill -9 <PID>とかCtrl+Cとかした際にも、対象プロセスにシグナルが送信されている。 ちなみに、PID「1」の init や systemd にkill -9 1しても何も起らない。(そういえば昔、oom-killer に init を殺された覚
長いので太字で要点 絞るためにGPU、仮想関係は省いてます。 NWが長くなったので分割 http://qiita.com/bringer1092/items/b6cd96a7f7db7121e8a7 I/Oが長くなったので分割 http://qiita.com/bringer1092/items/4a62ec6ab62b896ab611 ハードウェアサポート 4.6 USB 3.1 SuperSpeedPlus (10 Gbps) support USB3.1のサポート SuperSpeedPlus (10 Gbps)サポート 4.12 USB Type-C support USB Type-Cのサポート Type-Cについて調べるとUSB PD(最大100Wの電力)規格、映像出力用に対応 セキュリティ周り 何を載せるか粒度が人によって大きく異るが 3.11 New O_TMPFILE o
まず簡単なところから。 #include <linux/init.h> #include <linux/module.h> MODULE_LICENSE("GPL"); static int __init hello_init(void) { printk(KERN_ALERT "hello, world\n"); return 0; } static void __exit hello_exit(void) { printk(KERN_ALERT "bye\n"); } module_init(hello_init); module_exit(hello_exit); Makefileはこんな感じ。ROOTDIR にはカーネルのソースがあるディレクトリを設定する。 obj-m := hello.o ROOTDIR := /home/yomi/kernel/linux-3.11 defau
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