昔付き合ってた相手がいた。 その当時。こちら外資企業。相手は国内製造業。 学生からの付き合いで、話も合うし、趣味も合うしで付き合い始めた。 この人とならきっと一生楽しく過ごせるかもしれない。そんな気がした。 3回目の夜に言い渡された。 「自分は今の仕事は派遣で入ってる」 「ほとんど貯金はない。できる金額ではない」 「大学は実は中退した」 「高校も実は留年してた」 「中学は引きこもっていた。出席日数はギリギリだった」 楽しい時間に氷水を掛けられた気分だった。 教職で目の厳しい家族、親族全員見栄っぱりが勢ぞろいだった。 心象は良く紹介する方法について悩み始めてしまった。 親戚の中では自分がこの時代に中堅学卒なのも快く思われていなかった。 留学して大学院を出て、高卒の夫と所帯を持った母の従姉への陰口は幾度となく耳にして閉口した。 私はこの人と一緒になったらそっち側に立たされるのか。 しかしながら