昨年のプロ野球日本シリーズのことだったと思う。開幕前の監督会議で中日・落合監督(当時)の審判団に投げかけた質問が、今でも印象に残っている。それは、「第7戦までのすべての試合が引き分けになったら、どうするのか?」というものであった。 日本シリーズは7試合制で、先に4勝したチームが日本一となる。第7戦を終えて7引き分けなら、最低でもあと4試合、最大で7試合を追加しなければならない。しかし、プロ野球は日本シリーズ終了後も他の行事が立て込んでおり、そのケースをどう考えるのかという質問であった。問われた審判団も、お茶を濁すしかなかった模様である。 根っからのG党である僕には、その質問が奇を衒ったパフォーマンスにしか思えず、冷ややかな目で眺めていた。しかし、最近発売されたばかりの新刊『采配』(落合 博満・著)を読んで思惑を知り、思わず膝を打った。 そこには”「極論」から物事の本質を見直してみる”と、書