タグ

ブックマーク / honz.jp (14)

  • 『失敗の科学 失敗から学習する組織、学習できない組織』失敗と、どのように向き合うのか? - HONZ

    書の帯に、「英タイムズも絶賛!22ヵ国刊行の世界的ベストセラー、ついに日に上陸!」とあるので、その言葉に釣られて買ってみたが、確かにその通りの素晴らしい内容だった。 『失敗の科学』というタイトルからは、直ちに「失敗学」を連想する。これは、『失敗学のすすめ』 で有名な東京大学の畑村洋太郎名誉教授が提唱した新しい学問分野で、起きてしまった失敗に対し、責任追及のみに終始するのではなく、物理的・個人的な直接原因と背景的・組織的な根幹原因を併せて究明しようとする、安全工学に経営学などの要素を加味したものである。 しかしながら、書はこうした失敗の工学的メカニズムを明らかにするだけでなく、更に「人間が失敗から学んで進化を遂げるメカニズム」に焦点を当て、我々が進化を遂げて成功に至るカギは、「失敗とどう向き合うか」にあることを明らかにしている。 書では、まず航空業界と医学界という二つの業界を取り上げ

    『失敗の科学 失敗から学習する組織、学習できない組織』失敗と、どのように向き合うのか? - HONZ
  • 『毒婦伝説 高橋お伝とエリート軍医たち』 新刊超速レビュー – HONZ

    あの珍書プロデューサー・ハマザキカクをして、 HONZの朝会で内藤さんが紹介した『毒婦伝説―高橋お伝とエリート軍医たち』、私も読みましたが当に「珍」書だと思いました。 ow.ly/kOKYa — ハマザキカクさん (@hamazakikaku) 2013年5月8日 とまで言わしめた書は、まさに珍書の中の珍書である。 タイトルだけを見た時は、やれ木嶋 佳苗が◯◯だの、林 真須美が××だの、その類いかと思ったのだが、中身は全然違った。主人公は明治時代に実在した一人の女性、高橋 お伝。その数奇な運命がヤバい、ヤバい、ヤバい。とにかく奇妙な出来事の連続なのである。 事の発端は、明治の初期に起こった殺人事件。幾多の苦労を乗り越え、最愛の恋人と商売を始めたお伝だが、うまく立ちいかずに借財を重ねる。そこで知り合いの後藤 吉蔵に借金を申し込んだところ、一夜を共にせよと求められてしまう。泣く泣く応じたお

    『毒婦伝説 高橋お伝とエリート軍医たち』 新刊超速レビュー – HONZ
    dan_oni6
    dan_oni6 2014/09/02
  • 極論から考える -『限界デザイン』 - HONZ

    昨年のプロ野球日シリーズのことだったと思う。開幕前の監督会議で中日・落合監督(当時)の審判団に投げかけた質問が、今でも印象に残っている。それは、「第7戦までのすべての試合が引き分けになったら、どうするのか?」というものであった。 日シリーズは7試合制で、先に4勝したチームが日一となる。第7戦を終えて7引き分けなら、最低でもあと4試合、最大で7試合を追加しなければならない。しかし、プロ野球は日シリーズ終了後も他の行事が立て込んでおり、そのケースをどう考えるのかという質問であった。問われた審判団も、お茶を濁すしかなかった模様である。 根っからのG党である僕には、その質問が奇を衒ったパフォーマンスにしか思えず、冷ややかな目で眺めていた。しかし、最近発売されたばかりの新刊『采配』(落合 博満・著)を読んで思惑を知り、思わず膝を打った。 そこには”「極論」から物事の質を見直してみる”と、書

    極論から考える -『限界デザイン』 - HONZ
  • 『オーバーフローする脳 ワーキングメモリの限界への挑戦』 - HONZ

    いわゆる多読というものを初めてから、それほど年月を重ねていないのだが、多読以前と以後で全く変わらないものがある。それは全体に占める、未読の割合だ。年間50冊程度しかを買っていなかった時も、年間500冊近く買うようになった今も、およそ30%がの山に積んだまま、もしくはパラパラとめくっただけなのである。 未読が発生するメカニズムについても、自分なりに、かなり解明が出来ている。仮に10冊を買ったとして、7冊程度読み終わったところで次の10冊を購入。新しいものに目移りして最後の3冊は未読のまま。追加の10冊においても同様に7冊程度読み終わったら、さらに次の10冊を購入。最後の3冊は未読のまま。年間の総数に増減があっても、このサイクルの回転数が変動しているにすぎない。 歯磨き粉も石鹸もシャンプーも完全に無くなって初めて、次のものをチンタラと買いにいくのに、なぜかだけは絶対に読み切れない量を

    『オーバーフローする脳 ワーキングメモリの限界への挑戦』 - HONZ
    dan_oni6
    dan_oni6 2011/11/11
  • 『恥さらし 北海道警 悪徳刑事の告白』 - HONZ

    オリンパス、大王製紙、島田紳助。 今年も残り2カ月を切ったが、東日大震災以外にもショッキングなニュースが例年以上に多い。しかし、いきなりそんな前段を覆すようだが、そのどのニュースよりも強いショックを受けたがこれ。事件が起こった当時、僕は大学生として、その現場である札幌に住んでいたにも関わらず、このを読むまで知らなかった。先日の朝会で東えりかに聞いたのだが、事件後は書の後書きを書いた元上司の原田氏の書籍や事件をモデルにした小説など、関連書籍が数多く出版されたようだ。(朝会ではもちろんこのについて、2人でアツくなってしまった) そりゃそうだ。これだけの事件だもの、と妙に納得した。書は暴露の域を超えている。組織に所属する人、誰もが持ちうる人間の愚かさに迫った会心の「告白」である。個人的には今年読んだの中で、もっともスリリングだった、事実であるという事実がスリリングさを数倍にした。

    『恥さらし 北海道警 悪徳刑事の告白』 - HONZ
    dan_oni6
    dan_oni6 2011/11/04
    不祥事
  • 『さいごの色街 飛田』 - HONZ

    HONZに参加して以来、自分がどのようなを取り上げてきたのか、棚卸しなんぞしてみた。最初のダムはともかく、銀座のインド料理屋、川崎を拠地としていたプロ野球球団、東京スカイツリーと東京タワー、自由が丘のスイーツ。いかん、いかん、エリアが東京近郊に寄り過ぎている。オレは東京ウォーカーか!HONZは全国区の媒体だぞ。 そんなわけで思い切って東京を離れ、遠征へと出かけることにした。遠征に出かけるとなると、ついつい羽目を外したくなるのが、男の性(さが)。そうこうしているうちに辿りついたのが、飛田新地である。と、誰に問い詰められたわけでもないのに弁解してみる。 飛田新地は、大阪市西成区に今なお存在する色街だ。面積は、概ね400メートル四方。北寄りが「青春通り」 「かわい子ちゃん通り」、南寄りが「年増通り」「妖怪通り」「年金通り」などと呼ばれている。碁盤の目の街路に沿って居並ぶ「料亭」の合計は、16

    『さいごの色街 飛田』 - HONZ
  • 『大停滞』 - HONZ

    2011年、最も話題になった経済書だ。 New York Times、Financial Times、Wall Street Journal等さまざまなメディアが「2011年最大の話題の書」と呼ぶくらいである。英Economistは著者を「今後最も世界に影響を与える経済学者の一人」に選出した。書の議論が日の紙面を賑わすのも時間の問題であり、又、ビジネス・経済の原動力が何たるかを指摘しているので、ビジネスマンは必ず読んでおいた方がいい。 ブログ愛読者の中には「経済書」と聞いてゲッとなった人がいるかもしれないが、安心して欲しい。数式は一切出てこないし、何より約160ページという薄さで、しかも分かりやすく、あっという間に読めてしまう。通勤電車の中で読むには最適のだ。 書は、欧米や日など先進国の経済成長が鈍化しているのは、ケインズ経済学者が唱える「政府が適切に機能していない」からではな

    『大停滞』 - HONZ
    dan_oni6
    dan_oni6 2011/10/25
    タイラー・コーエン
  • ハマザキ書ク 第三回 目録の目録 - HONZ

    「目録の目録」というと論理学者、バートランド・ラッセルのパラドックスが思い起こされますが、そんなにややこしい話ではありません。今回のハマザキ書クでは読書家、活字中毒患者向けに、「のカタログ」である目録の中でも、とりわけ眺めているだけで読書欲が盛り上がってしまう、数々のオモシロ目録を紹介します。 私が新刊を余すことなく全てチェックしているのは、編集者として立案する企画が被らない様にする為ですが、思い付いたテーマのが既に出ていたという事が多々あります。私の編集者としてのモットーは類書がない前代未聞のを作る事。そしてライフワークとして全てのCコード(図書分類コード)を制覇するという野望を抱いています。結果として、世の中に存在するを全て把握しておかないと気が済まないという羽目に陥ってしまっており、しょっちゅう色んな目録を取り寄せては、マーカーで線を引いて、「こんなが出ていたのかー!?」と

    ハマザキ書ク 第三回 目録の目録 - HONZ
    dan_oni6
    dan_oni6 2011/09/25
  • 『銀座ナイルレストラン物語 日本で最も古く、最も成功したインド料理店』 - HONZ

    このを読んで、はじめて「ナイルレストラン」に行ったときのことを思い出した。 まだ学生時代、ランチタイムを外した時間でひとりだったはずだ。「メニューください」というと、日語がペラペラなインド人が、 「はじめて? なら、うちにしかないムルギランチにしなさい。鶏の腿肉が骨ごと入っていておいしいよ」 と半ば強引に決められてしまった。料理が来ると、手早く骨を外してくれ、 「カレーと肉とキャベツとジャガイモとごはん、ぜーんぶ混ぜるね。それが一番おいしい」 とべ方まで指導される。家ではごはんとカレーを少しずつ混ぜ合わせながらべることがきれいにべられ、正しいと躾けられていたから、「当かなあ」と思ったのだが、まずカレーだけで一口、追って混ぜ込んだところを一口べると、全然違う味に変化したことに驚いた。 手で混ぜてべるインドの文化の豊かさを実感した瞬間だったーーというのは後知恵だが、この体験が

    『銀座ナイルレストラン物語 日本で最も古く、最も成功したインド料理店』 - HONZ
    dan_oni6
    dan_oni6 2011/09/23
  • 『死のテレビ実験 人はそこまで服従するのか』 - HONZ

    芝居じみた仰々しいタイトルである。『死のテレビ実験』とはどんなホラ話が始まるかと思えばあにはからんや。看板に偽りのない内容に驚かされる。 書の内容を一言で表せば「人はどこまでテレビの言いなりになるか」である。視聴者参加番組に応募してきた人の行動を観察するために、2009年にフランスで行われた実験の詳細な報告書でもある。 基礎になっているのは1960年代にアメリカのイェール大学で行われた社会心理学者スタンレー・ミルグラムが行った「〈権威〉から良心に反する命令を受けた時、個人はどれくらいの割合でそれに服従するのか」(通称・アイヒマン実験)という実験結果である。 この実験は、記憶力に関する実験と称した「科学実験」の権威の下、被験者が「先生役」となって問題を読み「生徒役」がこれに答えていく。回答を間違うと、先生は生徒に電気ショックを与える。生徒が間違うたびに電気ショックは強くなり、最終的には45

    『死のテレビ実験 人はそこまで服従するのか』 - HONZ
    dan_oni6
    dan_oni6 2011/09/16
  • 『物語 食の文化』 - HONZ

    「三度のメシよりが好き」を自負する私ではあるが、見た目によらず旨いべ物への執着も人一倍である。そのべ物に関する薀蓄も弁えているとなると、味わいも一層増すというものだ。今回紹介する一冊は良き事の供として、絶妙な隠し味となってくれること請け合いである。 書の構成は以下ご欄の通り、第Ⅰ部では材全般を、第Ⅱ部では調理法・器具に和洋中の文化史紹介と、文化全般を広くカバーしている。タイトルにある「物語」というよりもむしろ「小辞典」といった趣である。 第Ⅰ部 たべもの・のみもの 1. 始まり 2. 米 3. その他の穀類(麦類を除く) 4. 小麦粉 5. 魚介類 6. 肉・卵・乳 7. 野菜 8. 果物 9. 菓子 10. 茶とコーヒー 11. 酒 第Ⅱ部 料理事・文化小史 12. 台所 13. 料理 14. 調味料と香辛料 15. べる道具 16. 三 17. 日文化

    『物語 食の文化』 - HONZ
    dan_oni6
    dan_oni6 2011/09/13
  • 著者インタビュー『ダチョウ力』塚本康浩氏(その1) - HONZ

    HONZの元となったのキュレーター勉強会が立ち上がる少し前、われわれ「キュレーター見習い」のあずかり知らぬところで、成毛眞と書評家の東えりかが密会(?)した(らしい)。そのときに二人の間でおもしろかった、と意見が一致して大いに盛り上がった一冊のがある。それがこちら、である。 装丁も最高にいいし、内容は文句なく面白い。成毛のレビューには、2009年の「強力お勧め」とある。 というわけで、記念すべきHONZ著者インタビュー第一回は、やはりこの人だろう、ということになったわけだ。 著者の塚康浩先生は、獣医学博士であり、40歳代前半にしてすでに京都府立大学大学院生命環境科学研究科応用生命科学専攻の教授。2009年の産学官連携功労者表彰では「文部科学大臣賞」も受賞している、超キレ者研究者。……のはずであるが、すでに『ダチョウ力』をお読みになった方はご存知のように、すこぶるヘンなお方である。

    著者インタビュー『ダチョウ力』塚本康浩氏(その1) - HONZ
    dan_oni6
    dan_oni6 2011/09/13
  • 『イスラームから見た「世界史」』 - HONZ

    9・11から10年が経った。テレビに繰り返し映し出されるシーンはあまりに現実味に乏しく、ただただ呆然として画面を眺めていたことを思い出す。今年の5月2日にはアメリカによってウサマ・ビン・ラーディンが殺害され、ホワイトハウス前に集まり歓声を挙げるアメリカ人の姿が映し出されていた。彼が率いたアルカーイダはもちろんイスラームを代表する存在ではないだろうが、イスラームと無関係ではありえず、9・11以降イスラームにまつわる戒律や宗派、様々な聞き慣れない単語を耳にすることが多くなった。 書の著者であるタミム・アンサーリーはアフガニスタンで生まれ育ったアメリカ在住の作家である。2000年にアメリカで高校生用世界史の教科書の作成に携わった著者は大きな衝撃を受ける。出来上がった教科書全30章のうち、イスラームが中心的なテーマとなったのはたった1章に過ぎず、その構成は「教科書の目次を額面どおりに受け取ったら

    『イスラームから見た「世界史」』 - HONZ
    dan_oni6
    dan_oni6 2011/09/13
  • 『日本の分水嶺』 - HONZ

    著者の名前に見覚えのある人はいるかも知れない。日のファシリテーションの第一人者であり、『ファシリテーション入門』をはじめとし、その分野のをいくつも出している。 その彼のもう一つの肩書き(?)は「分水嶺ハンター」である。 雨となって落ちてきた水が、異なる水系に分かれていく境界のことを分水界といい、それが山の稜線に沿っていることが多いため、分水嶺と呼ばれる。 日の代表的な分水嶺は中央分水界(嶺)。降った雨が日海に流れこむか、太平洋に流れこむかの境である。「日の背骨」のようなそれは、またの名を「大分水嶺」と呼び、その支線であるオホーツク海や瀬戸内海やインド洋へと水の流れを分ける分水嶺を含めると、全長は6000㎞に及ぶ。 だからどうした、と言われそうだが、実は分水嶺をめぐっては、人の営みにまつわる無数の物語がある。分水嶺を越えると、植生や景色ががらりと変わることがある、と著者は言う。気候

    『日本の分水嶺』 - HONZ
    dan_oni6
    dan_oni6 2011/09/13
  • 1