吉野ヒロ子:1997,「テクストのエスノメソドロジー──D.スミス・A.マクホールを中心に」,早稲田大学大学院文学研究科紀要 第43号第一分冊,p68-79 テクストのエスノメソドロジー〜〜D.スミス・A.マクホールを中心に〜〜 1:テクストという領域 2:テクストのエスノメソドロジー 2-1:社会的組織化の痕跡としてのテクスト 2-2:「読むこと」のエスノメソドロジー 3:テクスト分析の可能性 1:テクストという領域 我々が生きる世界には、さまざまな経験の領域と言うべきものが存在する。ここで言及しようとしているのは、アルフレッド・シュッツが「多元的現実論」において記述したような「限定された意味領域」、現実を構成するその領域固有の方法を持ち、他の領域との境界を何らかの形で持つようなもの、具体的にはテクスト受容の経験やシュッツの挙げている夢やごっこ遊びである。[Schutz:1973-198