ひさしぶりに読書感想文を書きます。 題材は、ダニエル・ブーニューの『コミュニケーション学講義』。これは、急激に変化しつつある現代のメディア環境およびコミュニケーション環境に身を置く人間にとって、間違いなく必読の書であります。 メディオロジー、というと日本ではレジス・ドブレの名前ばかりが知られていますが、いやはや。実はそこにはダニエル・ブーニューという、ドブレにまさるとも劣らない「巨大な」知性が実は隠れていたのです(たんに日本で知られていないだけですが・・・)。本書を読めばわかるように、その理論的な射程の広さや深さだけでなく、それをわかりやすく具体的な事例を交えて説明していく手際にも、まさに超一流の知性と呼ぶにふさわしいものがあります。 ただ僕自身には、メディオロジーにおけるブーニューの位置、についてはいまいちつかめない部分があります。事実的経緯としては、本書の監修者解説にあるように、ブーニ