真冬に氷点下になる寒冷地では、外気の温度を高めて室内に送り込むエアコンは暖房器具に適さないとみられてきたが、北海道などの寒冷地仕様のエアコンが売れ始めた。今年度はパナソニックで前年度比2倍、三菱電機も5割増のペースで販売が推移している。理由は氷点下の外気もすぐに十分に暖めるまで性能が向上したこと。国内市場が飽和状態になるなか、国内メーカーは寒冷地を最後のフロンティアとして技術開発を進めてきた結果だが、各社の視線の先には欧米などに広がる世界のエアコン未開地域への展開がある。(伊豆丸亮) 厳しい言葉に奮起 「札幌はまだ温かい。日本一寒い(北海道)陸別町で使えたら認めるね」 平成25年2月、冬の祭典「さっぽろ雪まつり」(札幌市)に開設したパナソニックのエアコンPRブースで、来場者が言い放った挑発的な言葉に同社の開発陣が奮起した。 これまでの技術向上で寒冷地で十分に通用することを疑わなかった開発陣