ブックマーク / www.newsweekjapan.jp/column (9)

  • エジプトの「不愉快な現実」

    エジプトが混沌としている。 断月明けの祝日が終わった直後の8月14日、軍は一斉にムルスィー前大統領派の強制排除に乗り出し、1週間で800人以上の死者を出した。衝突はその後も各地で続き、外出禁止令が発出され、20日にはムスリム同胞団の最高指導者ムハンマド・バディーア氏が拘束された。その前日には、ムバーラク元大統領の保釈可能性が浮上している。これはいったい何だ? 2年半前に転覆した旧体制を復活させることなのか? 混乱しているのは、事態の展開ではない。それを見つめるエジプト、および中東の知識人や活動家たちの言説である。7月の軍クーデター以降同胞団系のメディアは閉められているので、エジプト国内メディアのほとんどが軍に支えられた暫定政権支持派だろうが、その同胞団に対するバッシングは、凄まじい。同胞団=テロリスト、ファシスト、独裁、といった常套句が溢れ、「同胞団は終わった」と主張する。 すでに暫定政

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    daruism 2013/08/21
    つまりアジア式開発独裁ですね。わかります
  • 炎上した「愛心」

    2013年1月4日午前8時40分、河南省蘭考県で起きた火災が7人の子供の命を奪った。焼けたのは14人の子どもたちが暮らすアパート。そのうち4人は養母の袁厲害が運転する電動三輪車に乗って正月休み明けの小学校へと出かけ、もう1人は72歳になる袁の母親に付き添われて学校に向かった後に火災が起こった。 黒煙が上がっていることに最初に気がついたのは近くに住む袁の長女。妊娠5カ月の彼女が慌てて夫に連絡し、その夫が駆けつけた時には建物は煙に包まれ火が燃え盛っていたという。同時に駆けつけた袁の最も年長の養子が中に飛び込み、助け出せたのは一人だけだった。 亡くなったのは小児麻痺や心臓病、脳障害、知恵遅れなどの障がいを持つ、生後7カ月から5歳の子どもたち、そして毎日学齢期の子どもが学校へ、そして大人たちが仕事に出かけた後に彼らの世話をしていた知的障がい者の20歳の若者。消防署によると、そのうちの誰かが屋内で火

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    daruism 2013/02/10
    複数の問題が絡まってるから、仮に正義を振りかざしても別の正義にぶつかると。
  • 重慶事件から占う中国の明日

    先月の中国共産党トップの総入れ替え後、数回にかけてこのコラムでも新指導部トップ情報について書いてきたが、だんだん一般の日人読者はあまり中国指導者の詳細な横顔には興味がないことがわかってきた。実際のところ、これまでの経験でわたしもそんな気がしていたのだが、あまりに日の新聞雑誌、そして中国研究者たちが指導者の横顔を事細かに伝えているし、また現実に中国社会でも良くも悪くも「今後の変化」と重なる、トップの横顔分析が盛んなので、ちょっとその真似をしてみたのだった。 確かに、中国の話題は指導者にまつわるものばかりではない。そしてそちらを理解する方が「今の中国を知る」ためにはずっとずっと示唆に富む。このことをわたしは最近、再度深く感じている。 それを痛感したのが、今週発売されて大きな話題を集めている雑誌「南都週刊」の特集記事だった。その特集テーマはずばり「起底王立軍:王立軍の素性調査」。王立軍とは今

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    daruism 2012/12/20
    この事件は日本ではあまり注目されなかったけど、他にも小規模で同じようなことをやってるのはいるだろうし、指導部はピリピリしてんだろーなぁ。
  • 主役を食った助演男優〜重慶市の巻

    「事実は小説よりも奇なり」なんて言葉がありますが、まー中国ほどウソみたいな当の話が転がっているところはないのではないか。ちなみに中国ではこの言葉の中国語バージョンを聞いたことがない(バイロンの詩が原典だから翻訳語はあると思う)。たぶんそんな言葉を使う必要がないくらい、中国社会には小説みたいな実話がごろごろあるということなんだろう。 まぁ、そんな中国で起こった話で日人をびっくりさせるのが我々の仕事(?)なわけですが、さすがに重慶市の元公安局長がアメリカ領事館に飛び込み、政治庇護を求めたというニュースにはこっちが心底驚いた。「面白さ」ではここ10年来最高の出来である。 このNWJサイトではまだ取り上げられてないようなので簡単に背景を説明すると、領事館に逃げ込んだのは王立軍元重慶市公安局長。薄煕来同市党書記(党書記は市長よりも上の地位で、文字通り市のトップである)が以前省長を務めた遼寧省から

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    daruism 2012/02/20
    トップ交代も近いからそれに絡んだ政治闘争なのかなぁ・・・続報があれば是非みたいもの。
  • 中国を消化できない日本メディア

    首相就任後の野田氏の訪中計画が二転三転したが、やっと今月12、13日訪中が決まったかと思われた12月初めにまたも延期が発表されたとき、日メディアの多くが「13日が南京事件74周年にあたるためではないか」という憶測を流していたのに驚いた。いや、すんなり来る理由じゃないか、と日の読者は思うかもしれないが、お手軽に読者にとってそんな「すんなり」な理由付けをしてしまったメディア(そして、一部には日の外務省関係者がそう分析したと書いてある)が問題なのだ。 これがもし5年前ならわたしもそれを受け入れたかもしれないが、ここ数年きちんと中国を観察してきたのであれば、今の中国において政府から民間レベルまでそれどころではないことは十分わかるはずだからだ。 まず、民間。最近、中国政府は(まるで民主主義国のように)民間の声に気を使うかのような言説もよく出現するようになった。しかし、実際に昨年秋の尖閣沖におけ

    中国を消化できない日本メディア
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    daruism 2011/12/20
    ふむ。
  • 東京脱出組の私が帰り着いた「居場所」

    今週のコラムニスト:レジス・アルノー 最近はタクシーに乗るたび、運転手とこんなやりとりをする。「お国は?」「フランスです!」「フランス? 3月11日からの原発危機でフランス人は日からいなくなったと思ってましたよ」 原発事故が発生してからフランス人は一斉に日を脱出したと思われている。私もその1人だ。 私は取材で3月12日に福島と仙台に入り、19日まで滞在。19日に東京に戻り、フランス政府が在日フランス人の一時帰国用に用意したチャーター機に乗った。そして3月30日にまた東京に戻ってきた。今後もここにいる、という決意とともに。 私が日を離れたのは、フランスにいる家族のためだ。彼らが福島の原発事故のニュースを見て大騒ぎしたことが、在日フランス人の出国パニックの引き金になった。パリに向かう機内で話をした人のほとんどが「親を安心させるため」に帰ると言っていた。 在日フランス大使館は緊急に24時間

    東京脱出組の私が帰り着いた「居場所」
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    daruism 2011/05/30
    『長所も短所も受け入れるべきだ』ここ重要。でも、普段は「無いこと」にしていざという時に大騒ぎしちゃうんだよね、短所。非常によくない。
  • 「非リア充」のアルカーイダからアラブ革命の「リア充」へ

    どうも日人は、「反米武装勢力とは、絶大な統率力を持ったボスキャラが支配する邪悪な組織」、と考えがちらしい。ビン・ラーディンが米軍に殺害されて、一週間。「これでテロ集団アルカーイダも終わりだ」と、勧善懲悪映画のラストを見るようなはしゃぎ方が、日のメディアに見られる。 米政府がはしゃぐのは、よくわかる。オバマはブッシュが始めた泥沼の「対テロ戦争」に「勝った」と宣伝できるし、9-11後、米国が抱えてきたトラウマからの卒業というイメージを、国民に提供できる。なによりも9-11後10年にあたる今年の中間選挙には、使える材料だ。 しかし、アルカーイダと呼ばれるネットワークは、ビン・ラーディンが消えたからといって、芋づる式に組織全体が崩壊するような類のものではない。いやむしろ、ビン・ラーディンが象徴していたアラブの若者のトレンドは、すでに一昔前のものとなっている。 アラブ社会のネット事情と若者の過激

    「非リア充」のアルカーイダからアラブ革命の「リア充」へ
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    daruism 2011/05/10
    ひっでぇタイトル(笑)と思ったが、中身はだいたいそのとおりかなって思う。日本のメディアがはしゃいでるところは見たことがないが。
  • エジプト:祭りの後、でもまたいつでも祭りは起きる

    とうとうムバーラクが辞任した。 1月25日の大規模デモ以来、繰り返される民衆の抗議に押されながらも三週間弱、権力に固執し続けたが、くしくもイラン革命と同じ日、ムバーラク政権は民衆に倒される形となった。 暫定政権を担うのが軍であることには代わりがない。憲法や議会など、政治システムの変革がどう進められるかは、未知数だ。長い目で見たら何も変わらなかった、という結果にならない保証はない。 だが、今後どのような変化が訪れるにせよ、今回民衆運動の勝利が、決定的にエジプト社会の政治意識を変えたことは間違いない。 第一には、普通の人々が体制に挑戦することを恐れなくなったことだ。アラブの長期政権のほとんどが生き延びてきた理由は、現政権が倒れたときに訪れるであろう混乱と変動に、人々が恐怖を抱いたからである。慣れ親しんだコネ関係、暗黙のうちに了解される「超えてはいけない一線」――。長年のゲームルールがなくなった

    エジプト:祭りの後、でもまたいつでも祭りは起きる
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    daruism 2011/02/14
    「政府を追い詰めるために集まった人たちが、そのまま権力を目指そうとしていないことだ」そうじゃない人達もいたから次はそのあたりが火種になりかねない。
  • 「独りよがりの国際支援」とは?

    去年1月に起きたハイチの大地震から1年。なかなか復興できない現地の様子が伝わってきます。復興が進まない現実に、ハイチの人々の不満は高まります。どうしてなのか。誌日版1月26日号に、「ハイチの自立を阻む独りよがりの国際支援」という記事が出ています。国際社会は、ハイチのことをよく知らないまま、独りよがりの支援をしているという批判的な記事です。 ハイチの大地震が発生した2カ月後、国連部で支援国会合が開かれました。約140カ国の代表や支援団体が集まり、3年間で総額99億ドルを拠出することで合意しました。その当時、ハイチの人々は、どんな復興を望んでいたのか。市民団体が聞き取り調査したところ、多くの人たちが、「国際社会から受動的に支援金をもらうのではな」く、「裕福なハイチ人も貧しいハイチ人も一緒になって、国の経済発展に参加できる変革の時代が始まると期待していた」のだそうです。 その結果はどうだっ

    「独りよがりの国際支援」とは?
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    daruism 2011/01/24
    「具体的に何が問題なのかを提示しないと、援助の改善には役立ちません。「問題があるのだ」という抽象的な指摘は、現場を見ようとしない、頭でっかちなジャーナリストによく見受けられることです。」同意。
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