夢を見ました 倅(せがれ)の夢を 肩をたたいて くれました 骨になっても 母を忘れぬその優しさに その優しさに 月がふるえる 九段坂 (『靖国の母』二葉百合子 作詞・横井弘) 九段といえば靖国神社。その靖国神社に今年も「みたままつり」がやってきた。先週末の13日から16日まで。冬の新宿酉の市と並んで、東京都内では「見世物小屋」が出る唯一の夏祭りということで、毎年楽しみにしているマニアの方も多かろう。日本歌手協会の超ベテラン歌手たちによる、能楽堂での「奉納特別公演」というフリーコンサートが、僕にはいちばんの楽しみだ。 その九段かいわいには、戦争関連展示施設が集中していることをご存知だろうか。靖国神社の境内には「遊就館」という軍事関連展示場があるし、九段下の交差点近くには昭和10年ごろから30年ごろまで、戦中戦後の昭和の暮らしを展示する昭和館がある(厚労省所管)。 昭和館のすぐ先には東日本大震
