「精神分裂病」も相当誤解を招きやすい用語なのだけれど、それ以上に誤解を受けやすい精神医学用語がある。 「エロトマニア」である。 日本語に訳せば「恋愛妄想」。これはつまり、実際にはほとんど、あるいはまったく接触がないのに、相手から愛されている、と確信する妄想のこと。いわば「愛の狂気」ですね。蛇足ながら、「愛している」という確信の方は、精神医学の関与するところではありません。中井久夫は「『愛する』という行為は、もっとも妄想との境界が不鮮明である。あるいはないのかもしれず、この辺はまじめに考えてもはかない」と書いてますが。 ともあれ、この「エロトマニア」という用語なのだけれど、なんせ「エロ」に「マニア」である。こりゃもう誤解するなというほうが無理というもの。ちょっと検索しただけでも、熟女淫乱エロトマニアとか、エロトマニア【erotomania】[性癖]異常に強い性欲の人のこと。とか、ニンフォマニ