【自虐ネタ】笑って吹き飛ばしまっせ2012年9月6日 印刷 Check ひと吹きで「わおー!」。「海原はるか・かなた」の看板芸は、大阪ならでは=滝沢美穂子撮影 絵・グレゴリ青山 西条昇准教授 漫才コンビ「海原(うなばら)はるか・かなた」が放つ自虐ネタは強烈だ。 かなたさん(64)が相方のはるかさん(64)の側頭部を「ブゥッ」とひと吹きする。頭になでつけていた髪の毛は浮き上がり、流れ、飛んでいく。それを獅子舞のように頭を振って、元に戻すのだ。 はるかさんは40代の頃、自身の薄毛が気になり出した。熊本出身の九州男児。「あるものがなくなるってのはイヤだった」。ところが大阪で開き直ってネタにしたところ、客は劇場を揺らすほどの笑いで応えた。いまは思う。「この頭で、芸人として生きていける」 関西では、街を歩けば自虐ネタにぶつかる。 曇天の下、おっちゃんはテカテカ頭をさすってニヤリと笑う。「灯(あか)り