新型コロナワクチン接種の呼び掛けに抵抗する幅広い動きは、1998年に医学誌に掲載された1本の論文にさかのぼる。この論文は今は撤回されているが、自閉症を小児期の予防接種と関連付ける内容だった。これをきっかけに副反応の報告が倍増したことが新たな研究で分かり、同論文がいかに大きな影響をもたらしたかが明らかになった。 この論文と執筆者アンドルー・ウェイクフィールド氏の知名度の高まりは、予防接種に対する疑念の始まりと長年関連付けられてきた。権威のある英医学誌ランセットに掲載されてから、小児期のワクチン接種を避ける動きが着実に強まった。誤りを挙げる研究が相次いだにもかかわらず、ワクチンは自閉症や水銀中毒などの疾患と関連があると、事実に反する指摘が行われてきた。 もっともウェイクフィールド氏の論文発表前にもワクチンに懐疑的な見方はあった。米科学誌プロス・ワンに19日掲載された新たな論文の著者らは、ウェイ