1 社会連帯は安心な生活の保障から 現在日本で世代間、世代内、地域間、さまざまな分断が生まれていることについて、筆者はフランスとの比較から図1のように考えている。安心して暮らせる生活保障があり、自由に発言できる環境の中で批判精神を持ち続けることができたら、市民性が育まれ連帯していくことができるのではないだろうか。土台の生活保障から順にフランスの取り組みを検討していきたい。 なお、筆者はパリ市とその北にあるセーヌ・サン・ドニ県を調査フィールドとしている。特にパリ郊外に位置する後者は、移民の割合が非常に高く、左派政権が強いため福祉予算が他県に比べても多い。2020年の非課税世帯はパリ市の31.5%に比べ52%、貧困率はパリ市の15.4%に比べ27.6%である(1)。筆者は福祉が非常に盛んで活気がある様子に惹かれ調査を続けている。社会的背景には2020年のパリ市での未成年の犯罪の8割を、まだ滞在
![自民党女性局によるフランス研修が話題になっていますが、ここでフランスの社会保障のあり方についての報告を緊急オンライン公開したいと思います。ぜひ研修の成果を政策に活かしてほしいですね。 『社会連帯は安心な生活の保障から─フランスの取り組みより』 フランス子ども家庭福祉研究者 安發 明子 - 月刊全労連・全労連新聞 編集部](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/8ba9dda01d477aaff3f955501b37ae73208103c4/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fcdn-ak.f.st-hatena.com%2Fimages%2Ffotolife%2Fz%2Fzenroren1989%2F20230804%2F20230804182019.jpg)